民間工事は22.5%減、4カ月連続マイナス
国土交通省が7月31日に公表した2026年6月の建設工事受注動態統計・大手50社調査によると、民間工事の受注は前年同月比22.5%減少し、4カ月連続で前年を下回った。国交省は運輸業、製造業、不動産業などからの受注減少が要因としている。一方、公共工事などを含む受注総計は2.3%増え、4カ月ぶりに前年同月を上回った。建設受注は住宅やオフィスの売買価格そのものを示す統計ではないが、将来の建築・開発活動へつながる企業発注の勢いを把握する材料となる。
不動産業の発注減少と市場価格を混同しない
不動産業からの大型工事発注が減ったとしても、既存物件の売買価格が直ちに下落するとは限らない。大手50社調査は大型建設会社の受注を対象としており、開発計画のタイミングや大型案件の有無によって月ごとの数字が大きく変わることがある。また民間工事全体には製造業や運輸業の建築・設備投資も含まれる。したがって不動産市場を見る際は、住宅着工、地価、オフィス需給、建築費、金融環境と組み合わせて、供給側の動きを判断する必要がある。
開発投資では完成時期と建設コストの管理が焦点
海外投資家が日本で開発案件や建替え案件へ参加する場合、取得時の土地価格だけでなく、施工会社の確保、建築費、工期、完成時の賃料・売却価格が投資成果を左右する。大手受注が弱い局面が必ずしも建築費低下につながるわけではなく、技能者不足や個別資材価格など別要因も存在する。2026年後半の開発環境を見るには、民間建設受注が再び増加へ向かうか、住宅着工や不動産会社の新規供給計画とどう連動するかを継続的に追うことが重要になる。