「問題発生後」から早期把握へ

国土交通省は8月7日、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」の提言を公表した。同会議は2026年3月に設置され、5回にわたり土地取得や利用に関する課題と制度対応を検討した。提言は、不適切な土地利用が深刻化してから対応するのでは遅く、既存の土地利用関連法の対象外となる「規制の隙間」で問題が起きた場合には特に対応が難しいと指摘。そのうえで、国土利用計画法が持つ土地利用の一般法としての性格と情報把握機能を活用し、土地利用の継続的モニタリングや、取引・利用の両段階を通じた指導監督が可能となる制度への見直しを提案した。

提言と施行済み規制は区別が必要

重要なのは、今回公表されたものが有識者会議の「提言」であり、それ自体が新たな土地取得禁止や許可制度を直ちに発生させるものではない点だ。具体的な法改正や施行時期、対象となる取引規模や地域などは、今後の政府内での制度設計や法制化によって決まる。土地取引を検討する企業や個人にとっては、現行法上の届出義務と将来制度の議論を混同しないことが必要になる。一方、政策の方向として、土地を「誰が取得したか」だけでなく「取得後にどのように利用・管理しているか」まで継続的に把握する考え方が強まっていることは重要だ。

国内外の投資家は用途・管理計画まで説明力が必要に

海外投資家にとっても、この議論は外国人だけを対象とした単純な取得制限として読むべきではない。提言の中心は不適切な土地利用への対応と土地情報の早期把握であり、国内外を問わず土地の利用・管理の透明性を高める方向にある。将来制度が具体化すれば、大規模土地、開発用地、長期間未利用の土地などでは、取得目的や利用計画、管理状況の確認が従来以上に重要になる可能性がある。現段階では新制度を前提に取引条件を決めるべきではないが、今後の法案、政省令、対象地域、届出基準がどう整理されるかを追う必要がある。