金利上昇だけでは地価は下がっていない

2026年の日本不動産市場では、金利と地価が単純な逆方向には動いていない。日本銀行は無担保コール翌日物を0.75%程度とする金融政策環境を運営する一方、国土交通省の第1四半期地価LOOKでは主要都市44地区すべてが上昇した。住宅地ではマンション需要、商業地ではホテル、店舗、オフィス需要や再開発が地価を支えた。通常、金利上昇は借入コストを増やし、不動産に求められる投資利回りを押し上げる要因となるが、供給不足や賃料上昇など別の要因が強い地域では価格調整が遅れることがある。

利回りが金利に追いつくかが焦点

収益不動産では、物件利回りと借入金利の差が縮小すると、レバレッジを使う投資家のキャッシュフローが悪化する。物件価格が下がらなければ、賃料上昇や自己資金増加によって採算を合わせる必要がある。現金で購入する海外投資家にも無関係ではない。国内投資家の買い余力が低下すれば、将来の売却相手や出口価格に影響する可能性があるためだ。2026年後半は、地価だけでなく賃料、キャップレート、住宅ローン、不動産融資の貸出姿勢を一体で確認することが重要になる。次回地価LOOKは11月下旬予定で、金融環境変化が価格にどこまで反映されるかが注目される。