23区平均13.2万円、港区は約1.9倍

東日本不動産流通機構が7月17日に公表した2026年4~6月の首都圏賃貸居住用物件取引動向では、東京23区の賃貸マンション成約は1万8,218件、平均賃料13.2万円、平均面積33.96㎡、㎡単価3,899円だった。港区では695件が成約し、平均賃料24.6万円、平均面積41.00㎡、㎡単価5,994円。23区平均と比べても都心高額エリアの賃料水準は大きく上回る。同じ東京でも、区、駅、面積、築年、建物グレードによって家賃差が大きく、東京都全体の平均賃料だけでは実際の運用収益を判断しにくい。

「募集賃料」と「成約賃料」の区別が重要

賃貸市場ではポータルサイトに掲載される募集賃料が目立つが、投資家が収益計算に用いるべき基礎は実際に契約が成立する水準である。強気な募集価格を設定しても、空室期間が1~2カ月長くなれば年間収益は低下する。特に都心の高額賃貸は月額賃料が高い分、一度の空室が収支に与える影響も大きい。海外オーナーは管理会社から、近隣の成約事例、平均募集期間、更新状況、フリーレントや礼金など実質条件を取得し、表面上の月額賃料だけで判断しないことが重要になる。

購入価格上昇で利回りは家賃上昇だけでは改善しない

東京では家賃が高い一方、投資用マンションの取得価格も高水準にある。このため家賃が上昇しても購入価格の伸びがそれ以上なら、表面利回りは低下する。さらに管理費、修繕積立金、賃貸管理料、固定資産税、設備交換、原状回復、空室を差し引くとネット収益は小さくなる。海外投資家は「港区だから高家賃」という理由だけで物件を選ぶのではなく、取得価格に対する実際の成約賃料と将来コストを比較する必要がある。2026年の東京賃貸市場では、賃料の高さよりも、価格・賃料・稼働率の三つを組み合わせた収益性の確認が重要になっている。