超低金利期とは異なる住宅金融環境
日本銀行は2026年の金融政策決定会合で無担保コールレート翌日物を0.75%程度で推移させる政策を運営しており、7月31日にも当面の金融政策運営を公表した。住宅金融の市場では長期固定金利も上昇し、住宅金融支援機構の9月フラット35では、借入期間21~35年・融資率9割以下の最多金利が3.460%となった。日本の不動産市場は長年、非常に低い金利を前提に価格と投資利回りが形成されてきたが、2026年は借入コストを無視できない局面になっている。金利上昇は購入可能額や投資家の要求利回りに影響する。
価格上昇と資金調達コストの綱引き
一方、国土交通省の地価LOOKでは主要都市の地価上昇が続いており、金利上昇が直ちに不動産価格下落につながっているわけではない。東京など供給制約が強く需要のある地域では、建築費、賃料、海外需要、再開発など複数要因が価格を支えている。投資判断では、購入時の表面利回りから金利だけを差し引くのではなく、返済期間、元本返済、空室、運営費、将来の借換え条件まで含めたキャッシュフローを見る必要がある。現金購入の海外投資家にとっても、日本国内の金利上昇は将来の買い手の資金調達能力を通じて出口価格に影響する可能性がある。