供給不足ではなく価格要因に注目

国土交通省が8月25日に公表した主要建設資材需給・価格動向調査では、8月1~5日時点の生コンクリート、鋼材、木材など7資材13品目について、価格はH形鋼が前月比「やや上昇」、それ以外は「横ばい」と判定された。需給についてはすべての調査対象資材が「均衡」、在庫もすべて「普通」だった。少なくともこの調査時点では、全国的な資材不足が建設工事を直ちに止める状況ではない。一方、鉄骨建築で広く使われるH形鋼の価格に上向きが見られる点は、建築費を考えるうえで注目される。

建築費は地価と並ぶ新築価格の重要要因

新築マンション、一棟ビル、ホテル、物流施設などの開発収支では、土地取得費だけでなく建設費が事業採算を大きく左右する。資材価格が高止まりすると、デベロッパーは販売価格や賃料に転嫁するか、仕様や事業時期を調整する必要が生じる。海外投資家が土地を取得して開発する場合も、土地価格だけを基準に残余価値を計算すると投資予算が狂う可能性がある。今回の調査では供給自体は均衡しているため、今後は資材単価に加え、建設労務費や工期、ゼネコンの受注余力を合わせて確認することが重要になる。