全国上昇の中で白馬村が突出
国土交通省が3月に公表した2026年地価公示では、全国平均の全用途、住宅地、商業地がいずれも5年連続で上昇した。三大都市圏だけでなく地方圏でも上昇傾向が継続する中、長野県白馬村では特に強い動きが確認された。白馬村の住宅地標準地「白馬-1」は1㎡当たり2万7,400円、前年比33.0%上昇となり、住宅地の上昇率で全国1位。商業地の「白馬5-1」も1㎡当たり4万300円、35.2%上昇となった。全国平均の数字だけを見ると捉えにくいが、地方不動産は人口規模だけで決まる市場ではなく、観光、交通、国際需要、開発余地などによって局地的に価格が大きく動いている。
「地方だから安い」という判断は危険に
地方物件を探す海外投資家にとって、東京より取得価格が低いことは魅力になり得る。しかし白馬のような高成長地点は、価格上昇の背景と持続性を個別に確認する必要がある。観光客の増加や宿泊需要が土地価格を支える地域では、一般住宅、別荘、ホテル・宿泊施設用地で需要構造が異なる。さらに除雪費、建物維持、管理会社の確保、用途地域、建築規制、上下水道、災害リスクなど、都市部とは異なるコストがある。表面上の土地単価が東京より安くても、建築費や運営費を含めた総投資額では想定が変わる場合がある。
地方投資は全国平均より地域固有の需要を見る
2026年地価公示が示しているのは、地方圏が一つの市場ではないという点である。観光地、半導体関連投資が進む地域、交通インフラが改善する都市、人口流出が続く地域では、不動産需要の方向が大きく異なる。高い上昇率は投資家の関心を集める一方、過去の安値を前提にした利回り計算が通用しにくくなる。購入時には公示地価だけでなく、実際の取引価格、賃貸・宿泊需要、建築可能性、出口となる買い手層まで確認する必要がある。地方不動産では「日本全体の人口減少」だけで将来価値を判断せず、その地域に外部から資金と人を呼び込む具体的な要因があるかどうかが重要な分岐点となる。