民間都市再生整備事業として国交相が認定
国土交通大臣は7月29日、香川県三豊市の「The Salt Station Hotelプロジェクト」を優良な民間都市再生整備事業計画として認定した。認定事業者は民間都市開発推進機構による金融支援を受けることができる。計画では地域に存在する既存ストックを活用し、観光拠点となる宿泊施設に加え、地域住民も利用できる広場・緑地、飲食・交流スペースを整備する。新築大型施設を単独で開発するのではなく、既存資産を再利用して地域の滞在機能を高める点が特徴だ。
観光客を周辺地域へ回遊させる仕組みを重視
国交省は事業効果として、周辺エリアへの回遊性強化と、観光客と地域住民の交流促進を挙げている。地方の観光不動産では宿泊施設そのものの稼働率だけでなく、飲食、商業、交通、地域体験など周辺消費とのつながりが重要になる。地域内に滞在時間を延ばす仕組みができれば、既存店舗や遊休不動産にも需要が波及する可能性がある。一方、認定を受けたことと事業収益が確定することは別であり、今後の運営実績や来訪需要が重要となる。
地方投資は建物価格より運営需要の検証が重要
海外投資家が地方のホテル、旅館、古民家などを検討する際は、東京都心の賃貸住宅とは異なり、運営力と観光需要への依存度が高い。建物を安く取得できても、宿泊需要やスタッフ確保、飲食運営、交通アクセスが弱ければ収益は安定しない。三豊市の事例は、既存不動産を単なる中古建物として売買するのではなく、地域機能と組み合わせて価値を再構築する方向を示す。今後は宿泊施設の完成・運営状況に加え、周辺の空き店舗や土地利用、人流にどの程度変化が生じるかが地域不動産への波及を見るポイントになる。