7月1日から新しい都市開発方針を施行

東京都は6月30日、「新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針」と関連する運用基準を改定し、7月1日から施行した。対象となる都市開発諸制度は、再開発等促進区を定める地区計画、高度利用地区、特定街区、総合設計の4制度。公開空地の確保など公共的な貢献を行う良好な建築計画に対して容積率などを緩和する仕組みを通じ、民間開発を都市政策の目標に誘導する。今回の改定では、都市開発に合わせたアフォーダブル住宅の誘導が明確な柱となった。

新築だけでなく既存ストックの再生も重視

東京都は、既存ストックを活用して地域の個性を生かすまちづくりも改定の重点に置いた。8月19日に更新したリノベーション施策では、既存ビルの再生や、リノベーションによるアフォーダブル住宅供給チャレンジ事業を案内している。東京では大規模再開発が続く一方、建設費や住宅価格の上昇によって居住コストが社会課題となっている。新規超高層開発だけでなく、既存建物の用途転換や改修を都市再生に組み込む方向が強まっている。

周辺不動産への影響は事業ごとに異なる

再開発は交通利便性、商業施設、公共空間などを改善し、周辺不動産の需要に影響する可能性があるが、「再開発地域なら必ず価格が上がる」とは限らない。供給戸数の増加、工事期間、用途構成、地域人口などによって影響は異なる。投資家は都市計画決定の段階、事業認可、工事、完成時期を区別し、計画がどの程度具体化しているかを確認する必要がある。東京都の今回の改定は、今後の東京開発案件を評価する際に、住宅供給や公共貢献がより重要な要素になることを示している。