賃料上昇が首都圏から主要地方都市へ

アットホームが8月27日に公表した2026年7月の全国主要都市募集家賃調査では、東京23区、東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県に加え、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市の計10地域で、賃貸マンションの全ての面積帯が前年同月を上回った。調査は札幌、仙台、広島を含む13地域を対象に、同社ネットワークで公開された賃貸マンション・アパートを集計している。東京の家賃高騰が目立つ一方、前年比上昇が複数の大都市圏に広がっていることは、日本の賃貸市場を地域分散の観点から見る投資家にも重要な変化だ。

ファミリー・カップル向けの上昇が継続

マンションのカップル向けは6カ月連続で全13地域が前年同月を上回った。東京23区では同面積帯の平均募集家賃が14カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新している。一方、23区マンションのシングル向けは、25カ月連続の最高値更新後に26カ月ぶりの下落となった。これは賃貸市場が一律に上昇しているのではなく、面積帯や物件タイプによって強弱が分かれ始めていることを示す。地方都市でも大学、雇用、観光、再開発など需要要因が異なるため、都市名だけでなく対象世帯別の需給を確認する必要がある。

地方投資では家賃上昇と出口流動性を両方見る

地方都市への不動産投資では、東京より取得価格が低く表面利回りが高く見えることが多い。ただし、賃料上昇が確認できる地域でも人口動態、物件供給、管理コスト、売却時の買い手層によって実質的な収益性は変わる。今回の統計は主要都市で賃料上昇の裾野が広がっていることを示すが、投資判断では家賃だけでなく空室率、募集期間、将来の売却流動性を合わせて評価することが重要になる。