117件から36事業を採択

国土交通省は7月8日、2026年度「空き家対策モデル事業」の採択結果を公表し、117件の応募から36件を選定した。テーマは、空き家相談体制の充実、新たなビジネスモデル、管理不全空き家への対応など複数分野に分かれる。採択例には、区分所有長屋で管理不全となった空き室を予防する仕組みや、空き家を改修して平時は二地域居住や民泊に使い、災害時には避難先として活用するモデルなどが含まれる。人口減少が進む地域では、空き家問題は単純な住宅供給過剰だけではなく、相続、所有者不明、修繕費、地域交通など複数の課題と結び付いている。

「安い物件」だけでは投資判断できない

地方の空き家は都市部と比べ取得価格が低いケースがあるため、海外投資家から問い合わせを受けることもある。しかし、価格が低いことと投資収益性が高いことは別問題だ。賃貸需要、改修費、耐震性能、接道、再建築の可否、管理体制、固定資産税、除雪や草木管理などの継続費用を把握しなければならない。今回のモデル事業は、空き家市場の課題を行政だけではなく民間事業者や地域団体との連携で解決しようとする政策方向を示している。投資家にとっては、自治体が空き家バンクや改修補助、移住支援をどの程度整備しているかもエリア選定の材料になる。地方不動産では「物件単体」より、利用者を生み出す地域の仕組みが価値を左右しやすい。