土地取得後の利用まで継続的に把握する制度を提言
国土交通省が2026年3月に設置した「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」は、5回の議論を経て8月7日に提言を公表した。提言は、各地域で不適切な土地利用が発生している一方、問題が深刻化してから対応するのでは遅く、既存の土地利用関連法が十分にカバーしていない『規制の隙間』では対応が難しいと指摘した。その上で、土地利用に関する一般法である国土利用計画法の情報把握機能を活用し、取得後の土地利用を継続的にモニタリングできる仕組みを検討するよう求めた。
取引段階だけでなく利用段階での指導監督も論点
提言では、不適切な土地利用に対して、土地の取引段階と実際の利用段階を通じた指導監督を可能にする方向が示されている。ただし2026年9月7日時点で公表されているのは有識者会議の提言であり、全国一律の新しい購入禁止制度や外国人だけを対象とした所有制限が既に施行されたという内容ではない。この区別は重要である。制度改正が具体化する場合には、対象となる土地の種類、面積、地域、届出基準、行政の権限などが今後の法令整備で決まることになる。
海外投資家は「取得できるか」だけでなく利用規制も確認を
日本では土地や建物を取得できることと、その土地を希望する用途に自由に使えることは別問題である。都市計画法、建築基準法、農地法、森林関連制度、自治体条例など、場所と用途によって複数の規制が存在する。今回の提言は、そうした個別法の間に残る問題への対応を強化する方向性を示したものといえる。外国人・非居住者が土地や一棟物件を購入する場合も、価格や所有権だけでなく、用途地域、建ぺい率・容積率、再建築条件、開発許可、防災規制などの確認がより重要になる。今後は国土利用計画法改正の具体案が出るかが焦点となる。