変更から2年以内の登記が法律上の義務に

法務省は9月7日、不動産所有者が利用する「検索用情報の申出」に関する案内を更新した。2026年4月1日から、不動産の所有権登記名義人は住所や氏名・名称が変わった場合、変更日から2年以内に変更登記を行うことが法律上の義務となっている。正当な理由なく義務に違反した場合は5万円以下の過料が科される可能性がある。さらに義務化前に発生していた住所・氏名変更も対象となり、法務省は原則として2028年3月末までに対応する必要があると案内している。

スマート変更登記は所有者の負担を軽減

制度と同時に導入されたのが、法務局が住民基本台帳ネットワークなどの情報を利用して職権で変更登記を行う「スマート変更登記」である。個人の場合、氏名、住所、生年月日、メールアドレスなどの検索用情報をあらかじめ申し出ることで、住所等の変更が確認された際に法務局が手続きを進める仕組みだ。職権による変更登記には登録免許税がかからない。法人についても一定の条件下で職権登記が行われるが、会社法人等番号を持たない法人などは自ら申請する必要がある。

海外所有者は国内居住者と同じ運用とは限らない

海外に転居した日本人や外国人、海外法人が日本不動産を所有している場合、住基ネットや会社法人等番号を利用した自動的な情報連携がそのまま使えないケースがある。このため、非居住者は「スマート変更登記があるから何もしなくてよい」と一律に考えるべきではない。売却や担保設定の際に登記上の住所と現在住所が一致していないと追加書類や変更登記が必要になることもある。日本の不動産を長期保有する海外所有者にとって、登記簿上の氏名・住所を定期的に確認することが従来以上に重要になった。