貸家6362戸、分譲3180戸
東京都が8月7日に公表した住宅着工統計によると、2026年6月の都内新設住宅着工戸数は1万792戸で、前年同月比16.0%増となり3カ月連続で前年を上回った。利用関係別では持家が1147戸で12.7%増、貸家が6362戸で14.4%増、分譲住宅が3180戸で23.5%増だった。分譲住宅のうちマンションは1481戸で18.2%増、一戸建ては1612戸で28.7%増。都心3区では226戸となり、前年同月比88.3%増だった。単月データには大型案件の着工時期による振れがあるものの、賃貸・分譲の双方で供給が前年を上回った点は注目される。
供給増でも東京の需給が直ちに緩むとは限らない
住宅着工は将来の供給を示す先行指標だが、着工した住宅が市場に出るまでには時間差がある。さらに東京ではエリア、駅距離、住宅面積、新築・中古の別で需給が大きく異なる。貸家着工6362戸という数字は将来の賃貸在庫増加につながる可能性がある一方、人口流入や世帯構成、建築費、家賃水準も同時に見る必要がある。外国人や海外投資家が賃貸用マンションを購入する場合も、東京都全体の供給増だけで判断せず、対象駅の新築供給、既存賃貸在庫、成約賃料を比較することが重要になる。
購入・投資では完成時期と競合供給を確認
分譲住宅の着工増は、数カ月から数年後の販売・賃貸市場に新たな物件が加わることを意味する。中古住宅の購入者にとっては近隣で大型マンション供給が予定されているかどうかが将来の競合条件となり、賃貸オーナーには新築賃貸との設備・賃料競争が影響する。東京では価格だけでなく、今後完成する供給量まで含めた分析が必要だ。今後は東京都の月次着工とREINSの中古成約、賃貸取引データを組み合わせることで、供給増が実際の価格や家賃に波及しているかが焦点となる。