東京全体は4カ月連続増、貸家が供給をけん引

東京都住宅政策本部は2026年9月4日、7月の都内新設住宅着工を発表した。総戸数は1万939戸で前年同月比6.6%増となり、4カ月連続で前年を上回った。内訳は持家1,147戸で9.8%増、貸家6,820戸で10.4%増、分譲住宅2,944戸で0.9%減だった。特に貸家の増加幅が大きく、東京の住宅供給を押し上げている。人口や雇用が集中する東京では賃貸需要が底堅い一方、地価や建設費の上昇を背景に、新規プロジェクトの採算性はエリアや商品タイプによって差が広がっている。

分譲マンションは15%減、一戸建ては19.3%増

分譲住宅を詳しく見ると、マンションは1,376戸で前年同月比15.0%減となったのに対し、一戸建ては1,563戸で19.3%増加した。東京の分譲マンションは用地取得費、建設費、設備費などの上昇を受け、一戸当たりの販売価格が高額化しやすい。着工戸数の減少が今後も続けば、新築マンションの供給制約が中古市場の価格や取引量に影響する可能性がある。一方、戸建て着工の増加は、マンション価格上昇を受けた需要の受け皿となっている可能性もあり、城東・城北・多摩地域などを含む地域別動向の確認が重要となる。

東京の投資判断では賃貸供給と分譲供給を分けて見る

外国人や海外投資家が東京不動産を検討する場合、今回の統計は『東京全体の供給が増えている』という一言だけでは読み切れない。貸家は増加する一方、分譲マンションは減っており、賃貸運用を目的とする物件と自己利用・売却を想定する物件で需給環境が異なるからだ。都心3区の着工は610戸で前年同月比13.2%増となったが、都心の希少性と東京全体の供給増は別の現象として分析する必要がある。今後は新築供給、中古価格、募集賃料を組み合わせて見ることが、東京の物件選びで一段と重要になる。