AJPIは2026年5月までの速報値を反映
不動産証券化協会(ARES)は8月28日、ARES Japan Property Index(AJPI)などの各種指標を更新した。公開ページによると、2025年11月までが確定値、2025年12月から2026年5月までが速報値で、J-REITは2026年5月決算分まで、私募ファンドは2026年4月決算分まで反映されている。AJPIは日本のコア型不動産投資のパフォーマンスを測る代表的な指数で、賃料収入などによるインカム収益率と、不動産価値の変化によるキャピタル収益率を組み合わせて評価する。
「値上がりしたか」だけでは投資成果を測れない
現物不動産では売買価格の上昇が注目されやすいが、投資家にとって本来重要なのは保有期間中の賃料収入と資産価格変動を合わせた総合収益である。ARESは8月20日、AJFIを活用した不動産投資のリスク・リターン評価手法に関する調査結果も公表しており、日本の不動産投資市場でも株式や債券と同様に、収益率をリスクとの組み合わせで評価する考え方が重要になっている。海外投資家にとっては、自国の不動産や金融資産と日本不動産を比較する際の共通尺度にもなり得る。
個別物件では指数との差を確認する
AJPIは市場全体を理解するためのベンチマークであり、個々の区分マンションや一棟ビルの収益を保証するものではない。実物件では取得価格、稼働率、賃料改定余地、修繕費、固定資産税、管理費、借入金利、売却コストによって投資成果が大きく変わる。特に海外投資家は円建て収益に加えて為替損益も発生するため、物件の表面利回りだけでは比較が不十分だ。指数を基準に、自分が検討する物件のリターンが市場平均に対して合理的かを検証する使い方が有効だ。