44地区すべて上昇、横ばい・下落はゼロ
国土交通省が6月26日に公表した2026年第1四半期の地価LOOKレポートによると、1月1日から4月1日までの主要都市の高度利用地など44地区はすべて地価上昇となった。住宅地と商業地を合わせて全地区が上昇するのは9期連続で、横ばい、下落はいずれもゼロだった。変動率区分では42地区が0%超3%未満、2地区が3%以上6%未満となった。調査対象は東京圏、大阪圏、名古屋圏に加え地方圏も含むため、上昇は東京都心だけの現象ではない。都市部不動産を見る際には、全国平均だけでなく、駅周辺や再開発地区など土地利用密度が高い地点の価格動向を別に把握する必要がある。
住宅地は16期連続、商業地は9期連続で全地区上昇
住宅地では全調査地区が16期連続で上昇した。国交省は、利便性や住環境に優れた地域でマンション需要が堅調だったことを背景としている。商業地も9期連続で全地区上昇し、店舗・ホテル需要の堅調さなどが地価を支えた。住宅、宿泊、商業、オフィスが限られた好立地を競う地域では、土地取得価格の上昇が開発コストへ波及しやすい。地価上昇は既存所有者には資産価値を支える材料となる一方、新規購入者や開発事業者にとっては取得原価の上昇を意味するため、同じニュースでも立場によって影響が異なる。
海外投資家は価格上昇と投資採算を分けて評価
外国人や海外投資家にとって、日本の都市地価が広範囲に上昇していることは市場の底堅さを示す材料となる。ただし地価上昇と不動産投資の収益性向上は同義ではない。物件価格が賃料や純収益より速く上昇すれば取得時利回りは低下し、融資を利用する場合は金利負担も加わる。円相場だけを理由に日本不動産を割安と判断するのではなく、取得単価、賃料、空室率、維持費、借入条件、将来の売却流動性を一体で比較する必要がある。地価LOOKは2026年度から半期公表となっており、次回データで上昇地区の広がりと上昇幅が維持されるかが焦点となる。