成約件数は4カ月連続減少、在庫は5カ月連続増加

東日本不動産流通機構が8月10日に公表した2026年7月の月例マーケットウォッチによると、首都圏中古マンションの成約件数は3638件で前年同月比8.6%減となり、4カ月連続で前年を下回った。在庫件数は4万7151件で5.5%増え、5カ月連続の増加となった。成約1平方メートル単価は84.17万円で1.5%低下、平均成約価格は5267万円で0.7%低下した。一方、前月比では㎡単価1.9%、価格1.1%それぞれ上昇しており、単月の前年比だけで価格下落局面と断定することはできない。

新規登録・在庫価格は成約価格より強い動き

7月の新規登録㎡単価は117.86万円で前年同月比20.4%上昇し、在庫㎡単価も118.30万円で28.2%上昇した。新規登録平均価格は6834万円、在庫平均価格は6866万円であるのに対し、実際の平均成約価格は5267万円だった。掲載物件の構成が異なるため単純な価格差を値引き率とはみなせないが、売主側の価格水準と成立取引の水準が同じ動きをしていないことは重要だ。在庫増加が続けば、売却期間や価格改定の必要性が個別物件で一段と意識される可能性がある。

海外買主は『売出価格』と『成約価格』を分けて比較

海外から日本のポータルサイトを閲覧すると、目に入るのは現在販売中の価格であり、成約価格ではない。7月データは両者を区別する重要性を示している。買主は同じ駅圏・築年・面積・建物グレードの直近成約事例を確認し、売主は周辺在庫数や競合物件の価格改定も見る必要がある。平均価格が小幅に下がった一方で在庫価格は上昇しており、市場全体を単純な上昇・下落の一方向で捉えにくい。2026年後半は、在庫増が実際の成約価格や成約期間へどこまで波及するかが焦点になる。