8月31日予定の5月・第1四半期分を延期

国土交通省は8月27日、8月31日に公開を予定していた不動産価格指数の2026年5月分と第1四半期分について、公表を延期すると発表した。指数算出時のプログラムに不具合が発生し、原因の確認、再算出、精査に時間を要しているためである。同様の理由で、2026年4月以降に公表予定だった2026年1月、2月、3月、4月分と2025年第4四半期分についても延期が続いている。国交省は新たな公表日について、日程が決まり次第速やかに知らせるとしており、現時点で未公表期間の推計値を公式指数として扱うことはできない。

年間約30万件の取引価格情報を基礎にする公的指数

不動産価格指数は、年間約30万件の不動産取引価格情報を基に、全国、地域ブロック、都市圏などの不動産価格動向を指数化した国土交通省の統計で、原則として毎月公表されている。また所有権移転登記情報を使い、毎月の不動産取引件数や面積を示す補完統計も整備されている。指数は個別マンションや一筆の土地の査定価格を示すものではないが、日本の住宅や商業用不動産価格が中長期的にどの方向へ動いているかを比較する公的基準として利用されるため、複数月の延期は最新市場分析にも影響する。

他の統計で補完できても直接置き換えることはできない

公式指数の更新が再開するまで、直近の市場を見るためにREINSの成約データ、地価LOOK、住宅着工など別の統計を使うことは可能である。ただし対象物件、地域範囲、集計方法、基準時点が異なるため、それらの数字を不動産価格指数の代替値として扱うことはできない。海外投資家向けの市場レポートでは、古い公式指数を単に「日本の最新不動産価格」と表示すると時点を誤認させる可能性がある。データを引用する際は統計名、対象年月、公表日を明示し、現在一部の公式指数が公表延期中であることを区別して示す必要がある。