5月・第1四半期分の公表を延期

国土交通省は8月27日、8月31日に公開を予定していた不動産価格指数の2026年5月分および第1四半期分について、公表を延期すると発表した。指数算出プログラムに不具合が発生し、原因確認、指数算出、精査に時間を要しているためとしている。同じ理由で、2026年1月、2月、3月、4月分と2025年第4四半期分についても公表延期が続いている。新たな公表日は決まり次第知らせるとしており、9月9日時点では通常の月次更新スケジュールに遅れが生じている。

年間約30万件の取引情報を使う重要指標

不動産価格指数は、国土交通省が年間約30万件の不動産取引価格情報を基に、住宅や商業用不動産の価格動向を全国、ブロック、都市圏別などで指数化する公的統計である。個別ポータルサイトの売出価格とは異なり、実際の取引価格情報を基礎とする点に意味がある。そのため、不動産会社、金融機関、研究者、投資家が市場の中長期的な価格変化を確認する際の重要なデータの一つとなっている。

データ空白期は複数統計の突き合わせが必要

指数の公表延期は市場そのものの異常を意味するものではなく、統計作成上の技術的な問題だ。ただし最新価格を分析する場合、古い指数をそのまま「現在の価格」と扱うことは避ける必要がある。実務では国土交通省の既存住宅販売量指数、住宅着工統計、不動産情報ライブラリの取引価格、地価LOOK、民間の成約・募集価格統計などを組み合わせることで補完できる。海外投資家も、データの基準日と公表日を確認し、最新値かどうかを区別することが重要だ。