4~6月の実際の賃貸成約を地域・物件種別で集計

東日本不動産流通機構は7月17日、2026年4月から6月までの首都圏賃貸居住用物件の取引動向を公表した。首都圏のマンション、アパートなどについて、REINSを通じて実際に成立した賃貸取引を集計した統計である。不動産ポータルサイト上の募集賃料は貸主の希望条件を示すが、成約統計は入居者が実際に受け入れた条件を反映する。賃貸投資や募集賃料の見直しでは、周辺の掲載物件だけでなく、どの水準で契約が成立しているかを見ることが重要であり、成約データはその基礎資料となる。

首都圏平均だけでなく地域と物件特性を分けて見る

首都圏には東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県が含まれ、同じ東京都内でも都心区と郊外では賃料水準、専有面積、築年、入居者層が異なる。単身者向けワンルームとファミリー向けマンションでも需給構造は大きく違う。したがって首都圏全体の平均値を個別住戸へそのまま適用することはできない。物件の最寄り駅、駅徒歩、面積、築年、設備、家具の有無、契約条件などを揃えた成約事例を確認することが、現実的な募集賃料を決めるうえで重要となる。海外居住オーナーは特に、現地管理会社が示す募集提案の根拠となる成約事例を確認したい。

賃料ではなく空室・管理費を含む実効収入で採算判断

賃貸用不動産の投資収益は、月額賃料だけでは決まらない。退去後に次の入居者が決まるまでの空室期間、管理委託費、入居者募集費、原状回復、設備交換、修繕などが実際のキャッシュフローへ影響する。募集賃料を高く設定しても空室期間が長期化すれば年間収入が低下する可能性がある。海外投資家の場合、日本国内の管理を外部委託するケースが多いため、想定表面利回りだけではなく、実際の成約賃料と運営費を使ったNOIで比較することが重要になる。REINSの賃貸統計は、販売資料の想定賃料が市場実勢から離れていないかを検証する材料として利用できる。