短期金利1.0%程度の環境が続く

日本銀行は2026年7月31日の金融政策決定会合後、無担保コールレート翌日物を1.0%程度で推移するよう促す金融市場調節方針を示した。日銀は2024年にマイナス金利政策を解除して以降、金融正常化を進めており、日本の不動産市場は長く続いた極端な低金利環境とは異なる前提に入っている。住宅ローンでは変動・固定ともに資金調達条件が意識され、収益不動産でも借入金利と物件利回りとの差であるイールドスプレッドが投資判断の中心に戻りつつある。

日銀は緩やかな経済成長を想定

2026年7月の展望レポートで日銀は、日本経済について中東情勢に伴う原油高の下押しを受けつつも、AI関連需要や政府施策などに支えられ、伸び率を縮小しながら緩やかな成長を続けるとの見方を示した。物価については、今年度後半以降に前年比2%を明確に上回り、その後は再来年度にかけて2%程度へ向かうとした。物価と賃金の動向は今後の金融政策に直結するため、不動産購入者にとっても日銀会合は重要なイベントとなっている。

投資家は『利回り-金利』を再計算

不動産価格が高いまま金利だけが上昇すると、借入を利用する投資家のキャッシュフローは圧迫される。特に表面利回りの低い東京都心物件では、金利、管理費、修繕費、税金を差し引いた後の収益が従来より厳しくなる可能性がある。一方、自己資金比率の高い海外投資家には影響の出方が異なる。今後は単純な価格上昇期待より、賃料成長、借入条件、出口利回りを含む総合的な収益計算が日本不動産投資の重要な基準になる。