平均価格は上昇、成約件数は減少

東日本不動産流通機構の2026年7月度マーケットデータを基にした東京都の集計では、中古マンションの成約件数は1863件となり前年同月比13.9%減少した。一方、成約平均価格は7004万円で同2.2%上昇した。中古戸建ても同様の傾向がみられ、成約件数は482件で9.9%減だったのに対し、平均価格は6132万円と4.4%上昇した。土地は成約466件で17.7%減、平均価格6965万円で11.3%上昇している。少なくとも7月の東京都市場では、価格上昇が続く一方、成立する取引件数が前年を下回るという組み合わせが鮮明になった。

高値維持と取引減少は同じ意味ではない

成約件数の減少だけを見て直ちに価格下落局面と判断することはできない。成約価格は実際に取引が成立した物件の構成にも左右され、都心・駅近・築浅など比較的高額な物件の比率が高まれば平均値を押し上げる。一方で、購入希望者の予算と売主希望価格の差が拡大すれば、売出し中の期間が長期化し、最終的に価格調整が起きる可能性もある。東京で購入する外国人・非居住者にとっては「東京全体の平均価格」より、対象区、駅距離、築年、管理状況、専有面積ごとの成約事例を確認することが重要になる。

売主には価格設定、買主には選別が重要に

売却を検討する所有者にとって、平均価格が上昇していることは強い材料だが、取引件数の減少局面では強気すぎる売出価格が長期在庫につながる可能性がある。購入者側では、全体相場が高い中でも価格改定物件や販売期間の長い物件を比較する余地が生まれる。海外投資家の場合はさらに、管理費・修繕積立金、固定資産税、賃貸可能賃料、空室期間、出口価格、円相場まで含めて収益を検証する必要がある。東京都の7月データは「価格が高いから売り手市場」「件数が減ったから買い手市場」という単純な分類ではなく、価格帯と立地による選別が一段と重要になっていることを示している。