成約減と在庫増が同時進行
東日本不動産流通機構が8月10日に公表した2026年7月の月例マーケットウォッチでは、首都圏中古マンションの成約件数は3638件となり、前年同月比8.6%減少した。在庫件数は4万7151件で5.5%増えた。成約1平方メートル単価は84.17万円、平均成約価格は5267万円で、前年同月比ではそれぞれ1.5%、0.7%低下した。売り物件の在庫が増える一方で成約件数が減っており、売り手にとっては「相場が高い」という情報だけでは売却期間を判断しにくい市場になっている。
東京では地域差がさらに大きい
首都圏平均には東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県が含まれ、都心高額物件から郊外のファミリー物件まで性格の異なる市場が混在する。したがって平均価格5267万円を個別物件の査定基準に直接使うことはできない。売却では同じ駅、近い築年、専有面積、階数、向きなど条件の近い直近成約を確認し、現在の競合在庫と比較する必要がある。在庫増加局面では、売出価格を高く設定して長期間市場に残る物件と、適正価格で早期成約する物件との差が広がりやすい。
海外所有者は売却期間も資金計画に織り込む
非居住者が日本のマンションを売却する場合、価格だけでなく、売却期間、決済手続、税務、海外からの本人確認なども資金回収時期に影響する。市場在庫が増える局面では「いつまでに売る必要があるか」という時間条件が値付けに与える影響が大きくなる。2026年後半の売却判断では、成約価格の方向だけでなく成約件数と在庫の組み合わせを継続的に見ることが重要だ。