設計契約の透明性を高める制度改正

国土交通省は2026年10月6日、改正建築士法の施行に伴う関係政令が閣議決定されたと公表した。今回の改正では、建築士が行う全ての設計受託契約等について書面契約を義務付けることや、見積書作成の努力義務化などが示されている。設計業務の契約条件を文書で明確にすることは、発注者と設計者の間で業務範囲や費用に関する認識をそろえるうえで重要な意味を持つ。

建築発注者の契約実務に関係

建築設計では、基本設計、実施設計、申請対応など複数の業務が関係する。書面契約の対象が広がることにより、発注者側でも契約内容や追加業務の取り扱いを整理する重要性が高まるとみられる。見積書についても、単なる総額の比較だけでなく、対象業務の範囲を把握することが契約管理上の論点となる。ただし、具体的な適用時期や経過措置については、個々の契約に適用される法令と施行関係資料を確認する必要がある。

外国企業の日本国内開発にも影響

海外の不動産投資家や企業が日本国内で建築・改修プロジェクトを進める場合、日本の建築士との契約が必要になることがある。契約書面の整備は、海外の発注者が設計内容、費用負担、責任分担を把握するためにも重要だ。今回の制度改正は不動産売買そのものの規制ではないが、建築計画を伴う投資案件では設計発注の手続きに関係する。今後は契約書の記載内容と実際の業務管理がどのように運用されるかが注目される。