4年間延長し2031年12月31日までとする要望

国土交通省は8月28日に公表した2027年度税制改正要望で、相続された空き家の早期売却を促す譲渡所得の特別控除について拡充・延長を求めた。現行制度は一定要件を満たす被相続人の家屋や敷地を相続後に譲渡した場合、譲渡所得から最大3000万円を控除する仕組みで、家屋と敷地を相続した相続人が3人以上の場合は2000万円となる。要望では特例を4年間延長し、2028年1月1日から2031年12月31日まで継続することを求めている。

築年要件の緩和、民事信託終了による取得も追加要望

要望では、現在「1981年5月31日以前に建築された家屋」とされている対象家屋の築年要件を緩和することも盛り込んだ。制度創設から10年が経過し、新耐震基準を満たす相続空き家にも腐朽・破損が見られるものが増えていることが背景にある。また、相続・遺贈と同視し得る一定の民事信託契約の終了に伴って家屋・敷地等を取得した場合を対象に追加することも要望している。いずれも2027年度税制改正の要望であり、現時点で成立済みではない。

海外相続人は適用可否と納税義務を分けて検討

日本不動産を海外居住の相続人が取得するケースでは、空き家特例の対象となるかどうかと、日本でどの範囲の税務申告義務を負うかは別々に判断する必要がある。特別控除には相続時期、譲渡時期、家屋の状態、用途など複数の要件があるため、単に「空き家を相続して売れば3000万円控除」とは言えない。今回の要望が実現すれば対象となる住宅の範囲が広がる可能性がある。相続後に長期間放置すると管理費や固定資産税、劣化リスクが続くため、税制の確定内容と売却時期を分けて検討することが重要になる。