8月28日の税制改正要望に新築マンション対策
国土交通省は8月28日、2027年度税制改正要望事項を公表した。不動産・住宅分野では既存の固定資産税、不動産取得税、登録免許税、印紙税などに関する特例措置の延長・拡充に加え、新築マンション価格の高騰への対応を盛り込んだ。国交省は、近年、都心部の大型マンションを中心に新築マンション価格が急激に上昇している状況を踏まえ、「実需に基づかない投機的取引の抑制を含め必要な措置を検討し、所要の措置を講ずる」としている。住宅を本来の居住需要から離れた短期取引の対象として扱う動きについて、税制を含めた政策検討を続ける方向を示した形だ。
重要なのは『要望・検討段階』であり新税はまだ決まっていないこと
今回の資料は国土交通省が財務省などとの税制改正議論に向けて提出する要望であり、新築マンションの短期転売に新しい税率が直ちに適用されるという決定ではない。対象となる保有期間、地域、物件価格、購入者属性、税率などの具体的な制度設計も現時点で確定していない。したがって「外国人購入者への新税が決まった」「短期転売が禁止された」と解釈するのは正確ではない。今後、政府・与党の税制改正議論を経て、実際にどの措置が採用されるかを見る必要がある。制度が成立する前の段階と、成立後のルールを明確に区別することが重要となる。
国内外の投資家は出口戦略の税制変化に注目
不動産投資では取得時の価格や税金だけでなく、何年保有し、どのように売却するかという出口戦略が収益を大きく左右する。短期的な価格上昇を前提に新築マンションを取得し早期売却する投資モデルに対して政策的な検討が進めば、将来の取引コストや買い手行動に影響する可能性がある。ただし今回の要望は外国人だけを対象とする制度として示されたものではないため、海外投資家だけの規制と捉えるべきではない。購入者は今後の税制改正大綱や法令の成立内容を確認し、現在存在する制度と将来検討される制度を混同せずに投資計画を立てる必要がある。