8職種で1.2%不足、6月から0.2ポイント拡大

国土交通省が8月25日に公表した2026年7月の建設労働需給調査によると、全国8職種の過不足率は1.2%の不足となり、6月の1.0%不足から不足幅が0.2ポイント拡大した。一方、前年同月の1.6%不足と比べると不足幅は0.4ポイント縮小している。職種別では鉄筋工(建築)が過剰、それ以外の調査職種は不足となり、地域別では東北が過剰、その他の地域が不足だった。調査対象日は7月10日から20日までの間の1日であり、全国のすべての工事現場が同じ状況にあることを示すものではないが、技能者確保が引き続き施工計画上の要素であることが分かる。

物件取得後の改修は見積額だけでは工程を決められない

中古マンション、一棟アパート、ビルなどを購入し、引き渡し後に内装改修や設備交換を行う場合、工事会社から提示された金額だけでなく、必要な技能者をいつ確保できるかが運用開始時期を左右する。賃貸物件では退去後の原状回復が遅れれば次の募集開始も遅れ、空室日数の増加につながる可能性がある。大型修繕や用途変更では複数の工種を順番に調整するため、一つの工程の遅延が全体スケジュールへ波及することもある。不動産取得時の事業計画には、工事予算とともに施工会社の着工可能日、工期、資材調達の前提を盛り込む必要がある。

9~10月の全体見通しは『普通』、個別工事は地域差に注意

国交省は全国8職種の9月、10月の労働者確保見通しを全体として「普通」としている。9月について「困難」と「やや困難」を合わせた割合は26.3%で、前年同月の28.1%から1.8ポイント低下した。したがって統計から「全国で工事ができない」と判断するのも正確ではない。一方、東京の内装工事、地方の木造住宅、大型ビル改修などでは必要な職種や施工会社の受注状況が違う。海外投資家が日本の中古物件を取得して改装する場合も、購入価格と想定賃料だけでなく、見積の有効期限、施工会社確保、着工日、完成予定日まで確認することが実務上重要となる。