8職種で1.2%不足、前月から不足幅拡大
国土交通省が8月25日に公表した2026年7月の建設労働需給調査によると、全国8職種の過不足率は1.2%の不足となり、6月の1.0%不足から0.2ポイント不足幅が拡大した。前年同月の1.6%不足との比較では0.4ポイント縮小している。職種別では建築の鉄筋工が過剰となった一方、その他の調査職種は不足だった。地域別では東北が過剰、その他の地域は不足となっている。調査は7月10~20日の間の1日を対象にしているため、すべての工事現場が同じ状況という意味ではないが、施工人員の確保が引き続き工期の重要な変数であることが分かる。
資材は全品目で需給均衡、H形鋼のみ『やや上昇』
同じ8月25日に公表された主要建設資材需給・価格動向調査では、生コンクリート、鋼材、木材など7資材13品目の需給はすべて「均衡」、対象となる在庫状況もすべて「普通」とされた。価格動向ではH形鋼が前月比「やや上昇」、その他は「横ばい」だった。つまり8月時点では主要資材が全国的に不足しているという結果ではない。一方で労働需給では技能者不足が残っており、不動産の改修実務では「材料が手に入るか」と「施工する人を確保できるか」を別々に確認する必要がある。
中古物件取得後の工期は投資収益にも直結
中古マンション、一棟住宅、ビルを購入後に内装改修や設備交換を予定する場合、見積金額だけで投資計画を決めると想定外の空室期間が発生する可能性がある。施工会社が必要職種を確保できず着工や完成が遅れれば、賃貸募集開始や店舗開業も後ろ倒しになる。海外投資家は現地工事を自ら頻繁に確認しにくいため、購入前に見積有効期限、着工可能日、予定工期、必要工種、材料納期を確認する意味が大きい。国交省は9月、10月の労働者確保見通しを全体として「普通」としているが、個別案件では地域や工種による差を前提に工程を組む必要がある。