適用期限を5年間延長
財務省が公表している令和8年度税制改正の大綱では、住宅ローン控除について制度を見直した上で適用期限を5年間延長する方針が示されている。今回の特徴は、新築住宅だけでなく既存住宅の省エネ性能を重視している点だ。既存住宅のうち認定住宅やZEH水準省エネ住宅について借入限度額を引き上げるほか、子育て世帯への上乗せ措置の対象拡充、床面積要件の緩和などが盛り込まれた。住宅価格や金利が上昇する中、取得者の税負担を抑えながら質の高い住宅ストックの流通を促す政策が続く。
中古住宅でも性能区分が重要に
これまで中古住宅を選ぶ際には価格、築年数、立地、耐震性が主な比較軸だったが、税制面では省エネルギー性能の重要性が一段と高まる。住宅ローン控除の適用可否や借入限度額は、取得する住宅の性能区分や購入者の条件によって異なるため、同じ価格の中古物件でも税負担後の実質コストが変わる可能性がある。売主や仲介会社にとっても、住宅性能を証明できる書類が取引時の重要情報になる。
外国人でも居住・納税条件の確認が必要
住宅ローン控除は、日本で住宅を購入するすべての人に自動的に適用される制度ではない。所得税の税額控除であるため、購入者の居住状況、所得、住宅の利用目的、床面積、借入条件などの要件を満たす必要がある。特に海外居住者や日本に短期間滞在する外国人は、日本の居住者としての税務上の扱いを含めて個別条件を確認する必要がある。投資用物件の取得を目的とした制度ではない点にも注意が必要だ。