全国の地価は5年連続で上昇
国土交通省が2026年3月に公表した令和8年地価公示では、全国平均の全用途、住宅地、商業地がいずれも5年連続で上昇した。全用途平均と商業地は前年より上昇幅が拡大し、住宅地は前年と同じ上昇幅となった。三大都市圏では東京圏、大阪圏を中心に上昇幅が拡大したが、地方圏についても上昇傾向が継続している。調査対象は全国2万6000地点で、特定の取引事例ではなく全国的な土地価格の基準として利用される統計である。2026年1月1日時点の個別地点価格は不動産情報ライブラリでも公開されている。
地方物件は「安い」だけでは評価できない
海外投資家にとって地方物件は東京より取得価格が低く、表面利回りが高く見える場合がある。ただし地方市場では人口動態、雇用、大学・病院・工場などの需要源、観光客数、鉄道や道路の利便性によって賃貸需要と売却流動性が大きく異なる。地価が上昇している県や都市であっても、市内すべての地区が同じ動きをするわけではない。地方不動産への投資では都道府県単位の平均値より、最寄り駅や生活圏単位で地価公示地点、人口推移、実際の賃料、空室状況を確認する必要がある。
不動産情報ライブラリで地域比較がしやすく
国土交通省は2026年地価公示の個別地点データを不動産情報ライブラリと国土数値情報ダウンロードサイトで公開している。不動産情報ライブラリでは地価だけでなく、取引価格、都市計画、防災、人口などの情報を地図上で重ねて確認できる。地方物件を日本国外から検討する際、広告価格だけでなく公的データを使って立地を比較できる点は大きい。地方圏の地価上昇が続いていることは投資対象の広がりを示す一方、将来の売却相手がどれだけいるかという流動性は東京以上に物件ごとの差が大きい。価格と利回りに加え、出口市場まで含めた分析が重要となる。