『必要な検討を行い、所要の措置』を要望
国土交通省は8月28日に公表した2027年度税制改正要望で、「新築マンションの価格高騰への対応に係る所要の措置」を主要項目に盛り込んだ。都心の大規模マンションを中心とする近年の価格高騰を背景に、実需に基づかない投機的取引を抑制する方策について必要な検討を行い、措置を講じるという内容である。重要なのは、これは税制改正の要望段階であり、8月31日時点で新たな税率、保有期間要件、対象地域、対象物件価格などが成立したわけではないことだ。
都心6区の短期売買割合などを政策資料に掲載
要望資料では、保存登記から1年以内に移転登記されたものを短期売買と定義した過去の調査結果を示している。2023年の短期売買割合は東京圏6.3%、東京都8.5%、東京23区9.3%、都心6区12.2%で、2024年1~6月はそれぞれ3.7%、5.2%、5.7%、7.1%だった。また不動産協会が2025年11月に公表した対策として、登録・購入戸数の制限、登録名義での契約・引渡し・登記の徹底、契約から引渡しまでの売却活動禁止も紹介している。
外国人向け税ではなく、今後の制度設計を見極める段階
海外投資家にとって注意すべきなのは、この政策要望が外国人だけを対象とする税として提示されているわけではない点である。新築マンションの短期取引や投機的取引をどう扱うかという市場政策の議論であり、対象者や具体税制は今後の税制改正過程で決まる。現段階で存在しない税を確定制度として購入計画へ織り込むのは正確ではない。一方、新築を短期転売する投資戦略では将来の出口条件に影響する可能性があるため、年末の税制改正大綱やその後の法案内容を区別して追う必要がある。