一般投資家の参加拡大を受け制度を改正

国土交通省は8月21日、「不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令」を公布し、原則として同日から施行した。改正は2025年8月に取りまとめた、一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての中間整理を受けたものだ。インターネットを使った不動産クラウドファンディングなどを通じ、小口不動産投資へ参加する一般投資家が増える中、商品内容やリスクをより分かりやすくする方向で制度を見直した。施行規則だけでなく、監督上の留意事項と電子取引業務ガイドラインも合わせて改正されている。

契約前説明・財産管理報告・ウェブ開示を拡充

主な改正は、許可申請書などの提出部数変更、事業参加者の保護に支障を生じるおそれのある状況等の追加、契約成立前の説明事項の追加、財産管理報告書の記載事項の充実、電子取引事業者等がホームページに掲載する情報の拡充である。オンラインで短時間に投資判断をする利用者が増えた市場環境を踏まえ、契約前と運用中の双方で情報を厚くする考え方が鮮明になった。国交省は一部規定について経過措置があるとしており、既存商品については規定ごとの適用関係を確認する必要がある。

現物不動産購入とは異なる投資構造に注意

不動産クラウドファンディングや小口化商品は、通常の売買契約で土地やマンションの所有権を直接取得する取引とは法律上の構造が異なる。投資家は物件所在地や想定利回りだけでなく、事業者、契約上の権利、財産管理、運用期間、途中解約や出口の仕組み、損失負担を理解する必要がある。今回の改正は不動産価格そのものを規制するものではなく、商品説明や投資家保護を強める制度変更である。海外投資家が日本の小口商品を購入する場合も、「日本の不動産を買った」という感覚だけで判断せず、どの契約と制度に基づく投資なのかを確認することが重要となる。