従来の例外だった取得も報告対象へ

財務省は2026年2月20日に外国為替の取引等の報告に関する省令を改正し、4月1日から非居住者による国内不動産取得の報告制度を拡大した。改正では、居住用、非営利目的の業務用、自己の事務所用として取得する不動産や、一定の非居住者間の取得について、それまでの取扱いから報告対象が広がった。財務省が現在公開している制度概要では、非居住者が日本国内の不動産または賃借権、地上権、抵当権など不動産に関する権利を取得した場合、「本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書」を提出する必要があるとしている。

原則は取得から20日以内、代理提出も可能

報告期限は原則として取得後20日以内で、日本銀行を経由して財務大臣へ提出する。財務省によると、取得者本人だけでなく、日本国内の居住者である代理人、不動産仲介業者などが提出することも可能で、書面のほかオンラインによる提出方法も用意されている。重要なのは、この制度が不動産取得を禁止または事前許可制にするものではなく、外為法に基づく事後報告制度だという点である。ただし対象取引で報告を失念すると、購入後のコンプライアンスに問題を残すため、非居住者の決済では登記、税務、送金だけでなく外為法報告の要否を取引前に確認する必要がある。

「外国籍」と「非居住者」は同じ意味ではない

海外の買主が特に注意すべきなのは、制度上の判断が単純な国籍だけでは決まらないことである。日本に居住する外国籍の人と、日本国外を生活の本拠とする非居住者では外為法上の取扱いが異なり得る。したがって「外国人が日本不動産を買えば全員同じ手続」という理解は正確ではない。海外投資家は売買契約の段階で、自分が外為法上どの区分に該当するか、取得するのが所有権か賃借権等の権利か、報告期限の起算点はいつかを整理しておくことが重要である。2026年の制度拡大により、非居住者取引では決済後の20日間も重要な実務期間となった。