検査対象の約7割に是正指導

国土交通省は6月5日、2025年度に実施した賃貸住宅管理業者および特定転貸事業者への全国立入検査結果を公表した。全国168社を検査し、そのうち118社に是正指導を行った。賃貸住宅管理業者と、いわゆるサブリースを行う特定転貸事業者には「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に基づいた適正な業務運営が求められている。国交省は今後も立入検査などを通じ、法令遵守に向けた指導を続けるとしている。検査対象は市場全体ではなく選定された事業者であるため、この数字を業界全体の違反率とみなすことはできないが、管理業務の実務管理が政策上の重要テーマであることは明確だ。

海外オーナーほど管理会社への依存度が高い

日本国外に居住する所有者は、入居者募集、契約更新、家賃回収、滞納対応、修繕手配、退去精算などを管理会社に委託する割合が高い。現地で日常的に物件を確認できないため、管理会社から送られる月次報告や精算書が資産管理の基礎情報となる。サブリースでは所有者と実際の入居者の間に転貸事業者が入り、通常の管理委託とは契約構造が異なる。固定賃料のように見える契約でも改定条項や免責条件などが存在するため、「管理」と「一括借上げ」を同じサービスとして扱わないことが重要だ。

購入時から管理契約をデューデリジェンス対象に

投資用不動産を購入する際、売買価格や賃貸借契約だけを確認して管理契約を後回しにすると、取得後の収益性が想定と変わることがある。特に管理会社指定のマンション、サブリース承継を前提とする物件、海外送金を伴う案件では、管理手数料、解約条件、修繕権限、報告頻度、家賃送金方法を事前に確認したい。今回の検査結果は、登録制度があることと個々の事業者の実務が適切に運営されていることは別問題であることを示す材料になる。海外オーナーには、契約書と実際の管理報告の双方を確認できる体制が重要だ。