首都圏の募集賃料は高水準
LIFULL HOME'Sが公表した2026年4~6月版マーケットレポートによると、6月の首都圏賃貸物件の掲載賃料は、シングルタイプが10万574円で前年同月比19.2%上昇、ファミリータイプが16万1230円で16.4%上昇した。シングルは4月に初めて10万円を超えた後、2カ月連続で低下したものの依然として高水準にあり、ファミリーは同社の2020年以降の集計で最高値を更新した。なお掲載賃料は募集条件であり、実際に契約した成約賃料とは異なる点には注意が必要である。
東京23区では築古物件への反響が増える
東京23区のシングルタイプでは、賃料上昇を背景に築年数の古い物件への需要シフトが確認されている。2026年4~6月に問い合わせがあった物件のうち、新築のシェアは前年同期の4.2%から3.5%、築1~10年は33.7%から30.4%へ低下した。一方、築21~30年は12.9%から14.8%、築31年以上は23.6%から25.2%へ上昇した。築31年以上の反響賃料は8万6809円で、新築・築浅より相対的に低い価格帯である。家賃負担が高まる中で、入居者が築年数より価格を優先する動きが強まっているとみられる。
海外オーナーには賃料改定と退去リスクの両面
賃料上昇は賃貸不動産オーナーにとって収益改善要因となる一方、市場募集賃料が上昇したからといって既存契約の賃料を自由に変更できるわけではない。また高い募集賃料を設定しすぎれば入居期間が長引く可能性もある。海外所有者が日本の賃貸物件を運用する場合は、管理会社から周辺成約事例、募集期間、更新状況、退去率などを取得し、募集価格と実際の成約水準を区別することが重要だ。特に築古物件については、賃料競争力が高まる一方、設備交換や大規模修繕など将来コストも同時に確認する必要がある。